地方都市の百貨店の閉店が相次いでる中、私の住んでいる神奈川県でも伊勢丹相模原店が閉店してしまいました。
伊勢丹と言えば、私の学生時代は超一流企業で超高級百貨店でした。その割には若者にも人気がありまして、どの大学生のお財布にも「伊勢丹i(アイ)カード」(現MIカード)が入っていたものです。
「丸井の赤いカード(現エポスカード)だけではなく、伊勢丹のカードも持ってるんだからね!」という事が(百貨店で買い物をする程のお金も無かった癖に)変な自信に繋がっていたのでした。
百貨店が苦境に立たされている原因については様々な理由が言われています。
「Amazonのせい」「アウトレットモールのせい」「ファストファッションのせい」「失われた20年の消費低迷のせい」「顧客の高齢化」「少子化」などなど。
もちろん全部その通りなんでしょうが、私が考えるに「物を売る」事の奧にある物が見えなくなってしまった事が根本的な理由だと思います。
百貨店の起源はフランス革命で貴族がいなくなった後に登場した「中産階級」に洗練された物や文化を教える事で大成功した「ボンマルシェ(現在も営業中)」が始まりだと言われています。
百貨店はその発祥からして「物は結果的に売れるのであって、その前に文化や新しい情報や文化を発信する」というスタイルだった訳です。が、それがいつの間にか「とにかく物を売る」だけになってしまいました。結果的にお客に新しい情報や文化を提供できなくなり、結果として「物も売れなくなった」という事だと思います(禅問答みたいですけど、読み返してもその通りだと思います)。
とは言っても、まだまだ巻き返しはできると思います。
よく「消費増税に伴う、ポイント還元」で電子マネー業界の勢力図をテレビやネットで見かけます。どれを見てもデパートが中核にいるというグループがありません。例えばこのサイトをご参照ください。
電子マネーのメリットと言えば「キャッシュレス」「信用」「ポイント還元」・・・。
これらは本来は高額商品を扱う百貨店こそ最も活躍できる得意分野の筈です。さすが単独でサービスを展開する事は難しいにしても、複数の企業が連携する各グループの中核に百貨店が燦然と輝いていても良さそうなものです。百貨店は「電子マネー」の時代この活躍できると思います。
本来の存在意義に立ち戻り「商品を売る前に文化を教える」
先に書いたボンマルシェそのままです。大手百貨店は一流大学出身者ばかりなのだから、その気になればもっと他業種との連携ができると思います。
こう考えると、百貨店が苦境に立たされている原因は先に挙げた「Amazonのせい」「少子化」等の外部要因ではなく完全に内部要因で、要するに構想力の問題なのではないかと思えます。
もし優秀なリーダーが現れたら一気にV字回復し繁栄を謳歌できるという事でもあります。頑張って欲しいと思います。