落合陽一 日本再興戦略(幻冬舎)を読んで見た。読んでよかったけどアートについてもう少し書いてほしかった。

「日本再興戦略  落合陽一/著 (幻冬舎)」を読んで見ました。最近ネットやテレビの討論番組によく出ている人だったので興味を持っていました。
結論から言うと、「本当に読んでよかった」です。この落合陽一氏、私の中でカタカナをひたすら大量に連発して「日本は古い」「このままじゃだめだ」を連発する軽薄なタイプかと思っていいましが、全然違いました。
日本古来の歴史を踏まえて日本人の民族性や社会について説明し、さらにそれをこれからの時代へどう合わせていくかという事がキチンと書かれていてとても興味深かったです。
現代の日本人の姿を「日本人らしくない」と論じている箇所は久しぶりに読書中に膝を叩いてしまいました。
それから「士農工商」を再定義して現代に当てはめている箇所があり、そこのあたりも「膝を叩く」の連続でした。
落合陽一氏いわく士農工商でいえばご本人は「農」だそうす。現代の日本人の大部分はここに当てはまるのだそうです。実は全く同感でして、江戸時代~明治時代の頃の事を少し調べるだけでも「農民」が「農業」だけをしていた人達ではないという事が理解できます。田畑を耕す以外にも沢山の産業を担っていた人たちだったようです。
私も現代人はその点をよく考える必要がありそうだと常々思っていました。椅子取りゲームのように減りゆく「中流」の椅子をとりあっても仕方がないですよね。会社と言えの往復だけで暮らす方が不自然だと(ここは私の勝手な表現で本書にはそんな事かいてありません)。

本の途中からは今後のAIと5Gの社会について「どういう社会になっていくか」を説明しています。楽しい時代だと理解できました。生きていための努力はもちろん必要でしょうが。

ここ数日課題にしてきた「ブロックチェーン」についても少し書かれていたので、何となくだけど理解できたような気がします。

それから文中にアートを勉強せよと書かれています。実は戦前の東京商科大(現一橋大)でも「芸術にふれよ」と教授が学生達に指導していたと聞いた事があります。情報の出どころは私の祖父でした。祖父からそれを聞いた時はてっきり「良い絵を見て美的感覚を鍛えろ」という事だと思っていましたが、この本を読んでどうもそういう言う事を言ってのではない気がしてきました。
本の中で著者は「アートを学べと言っても、美術館にいけという話ではなく、アートの基本作法を学ぶという事です。どういうお作法でアートができているかとか、アートの価値はどこにあるのかとか、そうした事を学ぶという事です(216P)」としか書いていません。
ここをもう少し書いて欲しかったです。(私が読み取れてないだけかもしれないけど)。

そんな事で久しぶりに祖父の事を思い出すきっかけににもなったし、もう少しアートの事を知りたいので、他にも落合陽一氏の本を読んで見ようと思います。
この本ももう一度読み返してみると思います。

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