中小企業は例え無駄になってもITに時間もお金も投資し続けねばならない理由

IT投資なんてウンザリな気もしますが

「中小企業のIT戦略」なんて言うと、もう殆どの中小企業の社長さんは「わからない」「ウンザリ・・」という感想を持つと思います。

その気持ち、私も痛いほど解ります。「IT」という言葉が誕生して約30年。この30年間どの中小企業も「ヤバい」という危機感を持ち、取り合えずパソコンを買ったりホームぺ―ジを作ってみたりと様々な事に取り組んできた筈です。ハッキリ言ってその歴史は業者に外注して「ボラれる」事の連続でした。

外注して法外な請求書を見てまたウンザリ。そして「これ損したのかなぁ」と周囲に相談すれば詳しそうな知人がは「それはボラれてるね」としたり顔。

そして自分はまたガックリ。

そこまでお金をかけても「これ、果たして本当に売り上げ増や利益増につながったのかな・・」そんなため息の連続ですよね。

そんな中小企業のIT投入の歴史でした。

そりゃ私達中小企業だってメールは普通に使えるようになれたし、Excelで事務仕事もできるようになったし、Wordで文書を作ったり、仕入れ元への発注をPCでやってみたり位の事はできるようになりました。

でもそれってIT戦略とは程遠い事だと誰もが思っている筈です。

私もその1人です。

しかしこの「試行錯誤の歴史が大事だったんだ」と思える事が先日ありました。

ITについて全く勉強不足だった知人の末路

先日、ある昔の知人と話す機会がありました。

その知人は小売業を経営しています。外見は若々しいのですが、中小零細業のご他聞にもれず「IT」「ネット」の事はあまり詳しくはないようです。年齢が60代の人なので仕方がないのかもしれません。

聞けばその人、最近自らが経営する会社にとって「虎の子」の店舗をネットの知識が皆無だった為に手放す事になってしまったとか。

よくよく聞いてみると

コロナの影響で対面販売ができなくなった為、店舗が入る施設内から「コロナが沈静化するまでの間は従来の商品を『ネット受注』と『発送による納品』をして欲しい」と依頼されたのだそうです。

しかしその知人は「ネット受注なんて対応できません」と断ってしまったのでした。

古くから運営してきた店舗だったので店舗が入る施設側から「まさか追い出される事はないだろう」と思っていたら、あっさりと「では他の会社さんにお願いする事にします。早急に退店してください」と言い渡されてしまったとか。

その人は「うちみたいな零細企業にネット販売なんてできる訳がない」「コロナ渦の世の中だから仕方がないよね」と肩を落としてました。

話を聞いていた私は「残念でしたね」と言うしかできませんでした。

落ち込んでいるのだからこれ以上言っても仕方がないでしょう。でも本当は「時代のせい」でも「コロナ渦のせい」でもありません。

ただただご本人の勉強不足です。

今時ネットショップなんて近所のホームページ製作屋さんでも20万円くらいだせばできます。受注毎にメールで情報が届くようにしておいてもらえれば、それで全く問題はありません。メールを見る事さえできれば受注はできます。あとは送料や手数料についての条件を考えればよかっただけです。

退店した後は、誰でも知ってるような有名企業が同じ商材を扱うべく施設に出店したとの事。きっと儲かる商いだったのでしょう。

実は私の会社にも今回のコロナ渦で同じような事がありました。

しかし、私の場合は必要なシステムを外注に出す事で乗り切りました。

もちろん、外注に出すときは「あ~あ 自分でシステムが組めれば、お金が浮いたのになぁ」と思ったのです。でもこういう話を聞いていしまうと、自分は上手くやれたんだなと少し明るい気持ちになってしまいますね(ちょっと性格が悪いようですが)。

もったいないですね。

まとめ

この知人から学べる事は圧倒的な勉強不足の危険性にあります。今まで私たち中小企業の社長は「IT」という言葉に焦りただひたすらお金や時間を失っていたのではありませんでした。それらの「試行錯誤」の歴史そのもので重要なノウハウを得ていたのです。

もちろん未だに、そしてこれからも、「中小企業のIT活用」と言われると、頭が「?」となるか「食傷気味」になってしまう事の連続でしょう。

でも何も自分達だけでWeb製作ができるようになるとか、業務を効率化できるようなプログラミングに熟知するようになれなくても良いのです。ただ、いつかそれらができるようになる事を目指して普段から少しずつ勉強したりする事で、いざと言う時にどう対処できるかを判断きる力が育っていきます。

自分と自分の会社に「何が足りないか?」「困った時には何をどこ頼むか?」という事さえ解っていれば、この記事でご紹介した知人のようにならなくて済むはずです。

今まで苦労してきた事は無駄ではありませんでした。

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