最近の事ですが私が経営する会社(専門商社。典型的な中小企業)の業務内容を少し変更してみました。具体的には書けませんが、簡単に言うと一部の業務から撤退するという事です。
かなりの葛藤がありました。
かなりの葛藤がありましたが、それでも残すべき分野に力を集中する為には仕方ありません。
会社の将来。社会の変化。それらを考慮した上で、
「今後伸びると考えている分野 」「発展性のある分野」「市場占有率の高い分野」
に力を注ぎます。
実際に減らした分野とは
「今後先細りが見えている分野」でなおかつ「手間がかかりすぎる分野」です。
ある商材の販売担当エリア(ひらたく言えば縄張り)を絞り込む事にしました。親しくしている同業者に「顧客に御社を紹介するからそちらでやったら?」「請負元にはこちらから話をつけておきますよ」という程度で済んでしまいました。
なぜ辛い決断だったのか?。
そうは言っても葛藤はありました。創業以来取り扱っている商材の分野で、しかも強い思い入れのあるエリアから手を引く訳です。私が家業に従事する前の先代たちの働く姿、私が従事した後も手伝ってくれた古い従業員達の姿が心に浮かびました。
経営的には正しいですが、心情的には辛いものがあった訳です。
それでどうなったかと言えば、
この決断の後、会社がどうなったかと言いますと、かなり仕事の手間を省く事ができました。そして将来性のある分野に力を注ぐ事ができます。コスト的にも大分無駄を省く事ができるでしょう。自分でも良い決断だったと思っています。
マーケティングPPMという分析方法が約にたった。
ご存じの方も多いと思いますが、経営学の分析手法でマーケティングppmという方法があります。ふと気づいたら今回の決断はこの考え方を応用していました。
マーケティングPPMとは?
「マーケティングPPM」とは「Product Portfolio Management(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)」とは自分の会社がいる「市場の成長率」と「市場の占有率」から戦略を判断する手法です。
これについてはネットで検索して頂くと、解りやすく説明されたページが沢山ありますので、そちらをご覧ください。参考まで他の方が書かれたページのリンクを載せておきます。
リンク
https://www.profuture.co.jp/mk/column/6149
この手法自体は使い古された手法で、今では大企業でも殆ど使われる事はないと聞いています。
それでも中小企業経営者が自分と自社の立ち位置を大所高所から分析する視点を持つ為には大変有効な手法だと思います。
企業にとって最も理想的な状態とは?
具体的な内容は他サイトのリンクを見ていただければと思いますが、
このマーケティングPPMで一番理想とする状態は
「市場が縮小し、自社の市場占有率が高い状態」です。
市場が縮小しているのなら「他社」が参入してくる可能性も少ないので、そのまま新たな設備投資をせずに業務を継続。そのうち自社のインフラに設備投資の必要が生じたら、撤退すればいい訳です。
具体的な例を挙げるとすれば、デジカメが普及し始めた後の写真フィルムの業界がそうだったと聞いています。
この記事の終わりに
今回の私の決断はまさにこの状態の分野で、長く安定的な利益を確保できていたけれども、新たな資金的にも人員的にも神経的にもこれ以上の投資には不適格だという結論になったという事です。決めたことはくよくよしても仕方がないので、その分伸びている分野を頑張りたいと思います。