朝、いつもと違う時間に駅前を通ったら、知り合いの議員(地方議員)が駅頭をしていました。「おはようございます!」「いってらっしゃませ!」と道行く人に声をかけています。
誰もその議員に会釈も挨拶もしません。
が、早朝の駅前の辻立ち(通称「駅頭」と言われます)は相当に選挙に効果を発揮するそうです。
眠い目をこすって毎朝出勤する途中で「おはようございます!」と挨拶をしてくる議員に人は無意識に愛着や親近感を覚えるのでしょう。
私は生まれ育った街で職住接近の生活をしています。こうやって地域密着の生活をしていると、良くも悪くも政治家の素顔を垣間見る機会が増えてきます。
以下は今朝駅前で見かけた政治家とはまた別の政治家の話です。不思議な位「評価が低い」議員もいます。「政治」というか「行政を動かして法律や条例を作る事」は皆無。なんでこの議員が当選するのか不思議な位ですが、実はその手の人は、選挙活動だけはかなりマメにしています。
つまり「政治」と「選挙」は全く別の物だという事が解ります。
議会で決まった事をあたかも「自分が動いた」かのように毎朝駅で道行く人に演説をする。
これだけで会社勤めの人や日中は他の都市で仕事をしている人の目にはマジメに活動に取り組む政治家として写ります。
そして当選をある程度重ねていれば、それなりに業界団体が囲い込もうとしてくるので、その力も利用してまた当選する。
そして選挙が終わったら次の選挙に向けて、ひたすら選挙活動を続ける。
政治家としての評価なんて有権者には解る訳ないんだから、そっちは二の次(とまでは言い過ぎかもしれませんが)。
決して非難しようとしている訳ではありません。
ここから学ぶ事ができるのです。
政治家にとって「政治活動」と「選挙」は別なように中小企業の「事業」と「営業」や「宣伝」は別なのです。
「事業内容」とは例えば自社の「商品」「施工能力」「サービス内容」の事です。これらを強化する事は当然です。しかしそれだけではダメで、さらに「営業」「宣伝」を的を得た場所に展開していかなければなりません。
この「政治はやらないけど選挙は一生懸命な議員」は多少の業界団体や組合との付き合いはあるにしても、毎朝駅前に立ち、道行く人に一生懸命声かけをしています。
道行く人は一切陳情をしてこない実にコスパの良い有権者といえます。
この点を見習わなければなりません。
そんな事を考えてしまいました。
ちなみに今朝駅前で見かけた方の議員はマジメに仕事をしていると評判の議員でした。