Facebookが電子通貨「リブラ」を発行との事です。
個人的には失敗すると考えます。
理由は通貨という物は「国」の専権事項であり、通貨を発行して「国」の存在を脅かす者は必ず潰されると思うからです。「潰される」と言っても文字通り「潰される」という意味ではなく、「協力しない」とか「応援しない」等の形で「邪魔される」という意味です。
Facebookは言わずとしれた「gafa」の一角です。
「gafa」とは(Google)、アップル(Apple)、フェイブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)の4社のことです。いずれもアメリカ発祥で今や世界を代表するIT企業にまで成長しました。
4社とも「プラットフォーム企業」と言われ、世界中の人がこの4社のサービスを利用しています。この4社の物流・情報流・金融は国家の枠組みを超え、今やどのように規制をかけていくかが国家共通の課題となっています。
この「gafa」、4人の騎士と言われる場合もあります。全く良く言ったもので、この国家を超える情報・金融を持った組織がありました。12世紀~14世紀に中東からヨーロッパ全域でやはり国家を超える組織を持ったテンプル騎士団です。
もともとはキリスト教徒の聖地「エルサレム」の奪還と保護、そして巡礼者の護衛のために集まった武装した修道士の団体でした。だんだん組織が成長してくるとローマ教会からも正式な団体として認められ、組織は大成長、国境通過の自由や納税免除等様々な特権が与えられるようになります。そして十字軍の時期になるとエルサレムからヨーロッパにまたがるネットワークを利用して、今で言う銀行のような機能を持つようになります。つまり十字軍に参加した貴族が自分の領地のテンプル騎士団に資金を預け、出征したエルサレムで受け取るという事ができたそうです。一般の巡礼者もそのサービスを利用する事ができたと言いますから、まさに銀行とカード会社がくっついたような大変便利な存在でした。
だんだんとテンプル騎士団は国を超える力を持つようになります。そして最後はフランス王に潰されてしまいました。騎士たちのほとんどは処刑されたそうです。
何やら、この「gafa」の将来にも当てはまりそうな気がしてきませんか?
Facebook は世界最大のSNSを運営しています。このfacebookがスマホを通じて使う「電子通貨」を発行するというニュースにはどうも「国々」を怒らせているような気がしてなりません。こんな事を書くと
「世界中の人達に利用されているFacebookが『国家』に恨まれる訳がない。第一その『国家』で働いている人達だって、それぞれがFacebookを使って交流をしているじゃないか」
という答えが返ってきそうです。でも14世紀のテンプル騎士団だってそう思っていた事でしょう。
そんな事を考えながらこのニュースを読みました。
妙に詳しいようですが、先日このテンプル騎士団に関する本をたまたま読んだばかりだったので、ついこんな事を書きました。
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